はじめまして、院長の櫻木里佳と申します。縁あって京都に移住しました。
私は鹿児島大学を卒業後、福岡赤十字病院で2年間の初期臨床研修を行いました。研修医生活の終盤、進路に迷っていた私を精神科に導いてくれたのは、同期の仲間たちでした。「精神科を回っている時は、目が生き生きしている」「きっと精神科が向いているよ」そんな言葉を、何度もかけられました。それまで、自分が精神科医になるとは考えたこともありませんでしたが、「一番近くで見ている仲間がそう言うのならば、きっと間違いないだろう」と、精神科を志すことを決めました。
福岡県筑紫野市の牧病院では、あたたかく優しい先輩方に恵まれ、精神科治療を基礎から丁寧に教えていただきました。精神科の治療においては、患者さま1人に対して、様々な職種がチームとなって関わります。たとえば、入院中は医師や看護師だけでなく、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士が治療に参加し、退院して外来に移行してからは、さらに訪問看護やデイケアのスタッフも加わります。精神科医として働き始めて間もない頃に、チーム医療の大切さを教わったことは、その後の私にとって、非常に大きな財産となりました。大変居心地がよく、働きやすい職場で、気づけば8年以上が経っていました。
次なるご縁をいただいた明石こころのホスピタルでは、一転して10代の子供たちも多く入院する病棟を担当することになり、学校の先生や保健所など、病院外との連携を経験することが増えました。昨今、子どもたちに関する痛ましいニュースを目にする機会が増えています。いじめ、第三者委員会、そういったものにも関わる中で、家族に心配をかけまいと必死に明るく振る舞う一方で、誰にも悩みを打ち明けられずに一人で苦しみ、ついには命を絶つことを考えてしまう子どもたちにも出会いました。一見何も問題なく健やかに過ごしているように見えても、内心葛藤を抱えている子どもたちはたくさんいます。医療の支援が届きにくい子どもたちに、どうやって私たち専門家がアプローチしていくか、そんな課題も同時に考えるようになりました。
同じ頃、厚生労働省の認知行動療法研修事業にも参加させていただいていました。これは、4か月にわたって、認知行動療法の経験が豊富な先生にマンツーマンで指導を受けながら、実際の症例を通してスキルを学ぶものです。毎週1対1でのスーパーヴィジョンを受けながら「ここは良かった」「ここは、もっとこうしたほうがいいのではないか」と細やかな助言をいただき、スキルを高められたことは、大変ありがたい経験だったと感謝しています。この経験を踏まえて、患者さまへの負担が少なく、なおかつ高い効果をあげられるマインドフルネスのプログラムを、臨床心理士や作業療法士とともに立ち上げました。その成果は、日本精神神経学会、日本認知行動療法学会、日本マインドフルネス学会でも発表させていただいています。
このたび、古き良き伝統と新しい試みが複雑に交差し、独自の美しい歴史を織り上げてきた京都のまちで、「はたらく女性と、そのご家族のための、予約制のメンタルクリニック」を開業いたしました。私自身もはたらく女性です。一人の女性の中に、職場での立場、妻、母親、娘、さまざまな顔があり、時に葛藤を抱えながら、懸命に生きていることを、よく知っています。責任を持って最善の治療をお届けしていくという決意を込めて、本名そのままに「桜木りかメンタルクリニック」と名付けました。
場所は、お仕事帰りにもアクセスしやすい四条烏丸で、クリニックに通院していることが分かりづらいオフィスビルの上層階です。育児中の方にもお越しいただきやすいようキッズスペースをご用意しています。また、段差がなくフラットなつくりで、ベビーカーをご使用の方もスムーズにお越しいただけます。こころの病気への理解が進んできたとは言え、まだまだ敷居が高く、受診をためらってしまう方もいらっしゃいますが、勇気を出して最初の一歩を踏み出すことが、問題の解決につながります。受診前の不安をできるだけ減らしていただくためにも、当サイトには様々な情報を載せております。受診を迷われている方は、ぜひご覧ください。
あなたが明日からまた頑張るために、このクリニックがこころの重荷を下ろせる場所になりますよう、誠心誠意つとめてまいります。 どんな些細なご相談でも構いません。どうぞお気軽にお越しください。お待ちしています。
医療法人社団 桜木りかメンタルクリニック
櫻木里佳